7月の終わり、L.A.の空は異様なまでに青かった。
雲ひとつない澄んだ空にヤシの葉がカリフォルニアの風に揺れている。こんなに綺麗な日があるのかと一人で感心してしまった。
だが、街の空気はどこかざわついている。先週、West L.A.で警官による暴行動画が出回ってまた一悶着。抗議デモが小規模ながらも再燃し、3rd Street Promenadeには“JUSTICE FOR J.”の即席ステッカーが貼られ始めていた。さらにMetroの運賃改定も重なり、住民は「電車すら庶民のもんじゃなくなるのか」と嘆いている。“リビングコスト”という言葉が、会話に溶け込みすぎて逆にリアルじゃなくなってきた気がする。